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noteサークル機能のPMに抜擢された、若手デザイナーの奮闘

2020年2月、クリエイターが月額会費制のコミュニティを気軽に運営できる「サークル」がnoteに実装されました。

これによって、あらゆるジャンルのクリエイターがファンとつながったり、クリエイターの日常的な情報発信とコミュニティ管理を1つの場所に集約できたりするようになりました。

この「サークル」の開発・実装プロジェクトで指揮をとったのが、デザイナーの小谷麻美(こたに・あさみ)さん。通称「こにたん」です。

社内の最年少デザイナーである小谷さん(2020年2月時点)が、なぜnoteのこれからを担う機能のプロジェクトマネージャー(PM)を務めることになったのでしょうか?

今回の#noteのみんなでは、小谷さんにフォーカス。彼女のキャリア、仕事観を紐解くことで、ピ社でデザイナーという肩書きにとらわれずに活躍していくためのヒントを明らかにします。

ある日突然、サバンナでハイエナに遭遇した

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小谷麻美(こたに・あさみ) 美大を卒業後、新卒でミクシィへ。サロンスタッフ予約アプリのデザイナーとしてキャリアをスタートする。2019年7月にピースオブケイクへ転職。noteのデザインを担当している。


ーまず「デザイナーがPMを務める」ってレアケースのように思うのですが……。

会社にもよりますが、ピースオブケイクではけっこう「普通」だと思います。

通常の業務と並行して「これもやったほうがいいのでは?」ということがあったら、発案者がそのままPMとして指揮をとることもよくあるので。

ーでは、「サークル」は小谷さんの発案だったんですか?

いえいえ。もともとプロジェクトに関わっていましたが、あくまでもひとりのメンバーだと考えていました。局面が変わったのは、プロジェクトが動きはじめて2ヶ月ぐらい経ったタイミングです。

代表の加藤さんからSlackで「ちなみにこのプロジェクト、PMは小谷さんで大丈夫だよね?」というメッセージが飛んできて……「え!聞いてない!!」と(笑)。

先輩のデザイナーやエンジニアもすぐに「こにたん、これどうするの……?」って声をかけてくれました。わたしはものすごくビビっていたけど、「あ……やります」と答えたのを覚えています。

そういえば、入社して1・2ヶ月くらいで加藤さんと1on1のミーティングをしたときに「いずれPMも経験してほしい」と言われたことがありました。こんなにすぐ実現するとは思いませんでしたが(笑)。

ー「できません」と言うこともできたと思いますが、なぜやろうと?

「やるしかないか」と腹をくくったからですね(笑)。覚悟を決めたら、「やるなら楽しんでやろう」という気持ちになって。

以前、加藤さん、坂本さん、北上さんがピースオブケイクの社風について「じつはサバンナで、ときおりハイエナに出くわす。それをウケるねと捉えられるひとがいい」と話しているんですが、まさにそれで。

「そんな状況になるわけがない」「絶対にわたしはウケない」と思っていたのですが、いざハイエナに出くわしたら意外と楽しんでいる自分がいたんですよね。

あとは、関わるメンバーも尊敬できるひとばかりだったので「どうにかなるだろう」とある意味、楽観的になっていた部分も正直あったと思います。

デザイナーの肩書きにとらわれず、守備範囲を拡張しよう

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ープレッシャーも大きかったのではないでしょうか?

そうですね。プレッシャーが大きすぎて「わからないことが多すぎるからみんな助けて!」とデザイナーやエンジニアだけでなく、いろんな職種のかたにも相談しまくっていました。

相談をするなかでようやくプロジェクトの全体像が見えてくるようになりました。とくにエンジニアと雑談するうちに追加で必要な開発や検証作業があったり、リソースにも不安があることもわかってきて。相談していたエンジニアを含めて2〜3名が新たにプロジェクトに参加してくれました。

ー自分で抱え込むではなく、周りに助けを求める、と。

もちろん、自分だけでどうにかできないかとちらっと考えることもありました。でも、スケジュールは決まっています。「成長するまで待っててください」なんて悠長なことは言っていられない。だから、とにかくいろんなかたに助けを求めました。

周囲にパスを出して、なるべく自分がボールを止めないようにして……みんないいひとなので、嫌な顔せずにボールを受け取ってくれて、さらにいろいろ教えてくれて……本当に助かりました。

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ーPMとして意識的に実践したことってありますか?

「議論を形にして残す」ことは意識しました。どんどん状況が変化して、話していることも毎週のように変わっていくので。画面の仕様イメージの共有はデザイナーの川井田さんがやってくれたので、わたしはテキストでログを残すようにしました。

実際のイメージとログがあれば議論は建設的に進むし、万が一忘れちゃっても大丈夫なので。仕様が予定どおりのスケジュールで意思決定できたのは、細かい積み重ねがあったからだと思います。

ープロジェクト期間を振り返り、小谷さん自身が自分を評価するとしたらどこでしょう?

機能開発はもちろんですが、デザイナーの本業以外の部分もがんばりました。プレ告知を出したり、事前の説明会を開催したり、ヘルプページの記事を作ったり、サークルの開設申請をしてくれた方の審査基準を決めたり……デザイナーの仕事とはかけ離れた部分は本当にわからないことばかりでしたが、やり切ることができたと思います。

とくに印象に残っているのがリリース前に行なった、クリエイター向けの説明会です。

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サークルの機能を開発しはじめたときは「まずは小さくはじめて、反応を見ながら機能を充実させていこう」と考えていたのですが、予想以上にたくさんの方に関心を寄せていただきました。事前の先行申込みは900名超え、説明会にも100名ぐらいが参加してくれました。

注目されているのはすごくうれしかったけど、まだリリースされていない段階での説明会。どんな構成にするか頭を悩ませました。「こんな活用方法もできると“思います”」と想像の話ばかりになってしまうので。

そこで社内にひろく意見をつのって、事前に社内でも説明会のデモを開催して、たくさんフィードバックをもらったんです。その結果「小さくはじめて、大きく育てる」というコンセプトをユーザーのみなさんにもありのままお伝えして、説明会参加者のみなさんからも一緒につくっていこうと共感の声をたくさんいただきました。

同時に、要望もたくさんうかがいました。その声をもとに開発の優先順位を立てたり、プロジェクトのメンバーにフィードバックしたり……わたしやプロジェクトにとっても有意義な機会となりました。

いままでは機能をリリースするときも自分が担当したデザイン面のみ意識すればどうにかなりましたが、今回は機能全体にまで意識を行き届かせなければならない。そういう意味では、デザイナーという肩書きはほとんど意識しませんでした。

「自分よりも強いひと」に会いたい

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ーそもそも、小谷さんはなぜピースオブケイクに?

もともとは新卒でミクシィに入社して、デザイナーとして3年間おなじプロダクトに関わっていました。マネジメントも任されるようになっていたのですが、ある日ふと「このままでいいのかな」と。そこで外の世界を知るために転職活動をしはじめました。

いくつか会社を検討するなかでピースオブケイクを選んだのは、加藤さんの言葉に惹かれたからです。「すべてのひとに創作してほしい」「料理をするときに歌う鼻歌もクリエイティブだ」というお話のフィーリングがすごくしっくりきて、単純に実現したらおもしろそうだと感じました。

ーミクシィのほうが安定もしているし、いろいろ整備もされていると思います。不安はなかったんですか?

なかったです。ひと通りのことをこなせるようになると、なんとなくで仕事を回せてしまう場面が増えてしまいました。だけど、自分としてはもっと成長したいという気持ちが強かったです。周囲から頼られるのは嬉しかったけど、もっといろいろ経験を積みたくて。

noteはまだまだ発展途上なプロダクトで、すごい頻度でカイゼンや機能リリースをしている。まさにうってつけでした。

ー入社後、印象は変わりましたか?

デザイナーとしての話をすると、やはりスピード感です。前職ではデザイン案をカンプに起こして会議に持ち寄ることが多かったんですが、ピースオブケイクは「それよりも、手書きでいいから」と言われる。

不完全でも議論を前に進めるためにスピードを優先させて、精度を高めていく。そのスピード感は驚きました。

ただ、デザイナーの肩書きはあまり関係ないかもしれません。サービスをグロースさせていくうえで必要な考え方やスキルみたいなものを学ぶ毎日です。「こんなこともできるようになるんだ」と驚くこともありました。確かに説明会で人前に立ったときはものすごいプレッシャーだったけど、noteのクリエイターはみなさん優しいですし、逆に「もっとがんばらなきゃ」と思えました。

ー最後に、今後小谷さんがどういったかたを仲間に迎えたいのか教えてください。

「強いひと」……ですかね。強いひとにきてもらって、組織全体を底上げしたいし、自分自身も刺激を受けたい。いままでピースオブケイクにいないタイプのデザイナーだったら、わたしも周りのメンバーも喜ぶと思います。会社全体が強くなっていくことが理想ですね。

ーPMの仕事を通じて、視野を広げていった小谷さん。ピースオブケイクで活躍するには、肩書きにとらわれないパフォーマンスをしていくことが大切なのかもしれませんね。今日はありがとうございました!

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Text and Photo by 田中嘉人

※noteのデザイナーをもっと詳しく知りたい方は、以下のインタビューもご覧ください。


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