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激動の選挙イヤーを徹底分析。SNSが結果に大きく影響した2024年選挙戦をnoteで振り返る

世界的な「選挙イヤー」となった2024年。SNSで形成された「ネット世論」が選挙結果に少なからず影響を及ぼしていると話題になりました。

そこで、国内でも特に注目を集めた4つの選挙について、noteではどのような投稿が集まったのか分析を行いました。

  • 東京都知事選

  • 自民党総裁選

  • 第50回衆議院選

  • アメリカ大統領選

noteは、クリエイティブや文化を育む土壌として、表現の自由や思想・信条の自由の尊重を大切にしています。それぞれが多様な意見を共有しあえる場づくりに、今後も努めてまいります。


東京都知事選(投開票日:7月7日)

投稿数

集計期間中に投稿された東京都知事選にまつわる記事は、5,225件でした。候補者別では、現職の小池百合子知事が1位に。公示日の6月20日以降のタイミングで、大きく記事数が伸びました。

※集計期間:2024/05/25〜2024/07/07
※集計方法:「都知事選」または 「東京都知事選」+「候補者名(得票数上位5名のフルネーム)」の入った記事。一つの記事の中で複数人の候補者に言及していた場合は、重複してカウント

各候補者への論調

ポジティブな論調の比率
1位は安野貴博氏。2位以降には、田母神俊雄氏、石丸伸二氏が僅差で続きます。石丸伸二氏は、集計期間中に約6ポイント上昇した一方で、蓮舫氏に関する論調は立候補を表明した5月28日を境に約4.5ポイント減少する結果となりました。

論調の理由 ※表は上から投稿数の多い順
それぞれ、以下の通りです。

【小池百合子氏】
<ポジティブ>

・自民党や連合東京からの支持、複数政党からの支援を獲得
・待機児童の問題の改善や保育料無償化などの実績
・圧倒的な知名度とSNSでの効果的な情報発信能力

<ネガティブ>
・「7つのゼロ」など主要公約の多くが未達成
・公文書の黒塗り問題や記者会見での質問回避
・プロジェクションマッピング事業での48億円支出など、税金使用への批判

【蓮舫氏】
<ポジティブ>

・若者支援、行財政改革など具体的な政策を提示する能力
・力強い演説や聴衆を魅了するマイクパフォーマンス
・子育て支援や福祉政策の充実など具体的な支援策を提案

<ネガティブ>
・批判的な姿勢のイメージが強く、建設的な議論や実務能力が不足しているとの懸念
・具体的な実行計画や予算の裏付けが不十分との指摘
・共産党支持を受けることへの不信感

【石丸伸二氏】
<ポジティブ>

・SNSやYouTubeを活用した新しい政治スタイルと情報発信力の高さ
・若者層や無党派層からの強い支持獲得
・財政再建や教育支援などの政策実績

<ネガティブ>
・市長任期途中での辞任に対する批判
・議会との対立姿勢や感情的な対応
・提案された政策の実現可能性や具体性が不明確との指摘

【田母神俊雄氏】
<ポジティブ>

・元航空幕僚長としての経験と安全保障分野での専門知識が評価
・防災対策や都民税減税などの明確な政策ビジョン
・伝統的な保守層からの支持を獲得

<ネガティブ>
・限定的な支持層による票の伸び悩み
・提案された政策の実現可能性や具体性が不明確との指摘
・過去の公職選挙法違反による逮捕歴

【安野貴博氏】
<ポジティブ>

・AIエンジニアとしての実績と専門知識
・AIやデジタル技術を活用した新しい政治スタイルの提案
・GitHubでのマニフェスト公開など、オープンな政策議論への取り組み

<ネガティブ>
・政治家としての経験が少ないことへの懸念
・知名度が低く、現実的な当選可能性が低いという評価
・高齢者の情報格差問題への懸念

※集計期間:2024/05/25〜2024/07/07
※対象記事:「都知事選」または 「東京都知事選」+「候補者名(得票数上位5名のフルネーム)」の入った記事
※分析方法:LLM(大規模言語モデル)を使用し、対象記事の感情を分析。そこからさらに、感情をカテゴリごとに分類し要約

自民党総裁選(投開票日:9月27日)

投稿数

集計期間中に投稿された総裁選にまつわる記事は2,976件でした。候補者別では、小泉進次郎氏に関する記事が最も多い結果となりました。決選投票に進んだ2位の高市氏と3位の石破氏に関する言及は、所見発表演説会(9月18日、19日)以降で微増しています。

※集計期間:2024/08/01〜2024/09/27
※対象記事:「総裁選」+「候補者名(得票数上位5名のフルネーム)」の入った記事。一つの記事の中で複数人の候補者に言及していた場合は、重複してカウント

各候補者への論調

ポジティブな論調の比率
1位は高市早苗氏。2位以降には、林芳正氏、小林鷹之氏が続きます。現職の石破茂氏については、立候補への意欲を示した8月14日頃からゆるやかに上昇。一方で最も言及数の多かった小泉進次郎氏は、8月5日頃を境に論調がやや厳しくなる傾向が見られました。

論調の理由 ※表は上から投稿数の多い順
それぞれ、以下の通りです。

【小泉進次郎氏】
<ポジティブ>

・40代という若さと改革志向が評価され、新しい世代の政治家として期待されている
・世論調査での高い支持率と幅広い年齢層からの支持を獲得
・記者会見での対応力や分かりやすい説明力が評価されている

<ネガティブ>
・政治家としての経験が浅く、総理としての資質や能力を疑問視する声が強い
・具体的な実績が少なく、政策の実現可能性や具体性に疑問
・国際政治での経験不足や対応能力への不安

【高市早苗氏】
<ポジティブ>

・積極財政派としての明確な立場と市場からの好評価、アベノミクスの継承者としての期待
・保守層からの強い支持と党員票での高い支持率
・日本初の女性総理大臣となる可能性への期待

<ネガティブ>
・極端な保守的姿勢や強硬な政策方針への不安
・旧統一教会との関係性を疑問視する声
・ドラスティックな政策の実現可能性や財源についての懸念

【石破茂氏】
<ポジティブ>

・国民からの高い支持を獲得
・地方議員や党員からの支持が厚く、地方創生に力を入れている
・自分の信念を曲げない姿勢や透明性を重視する態度が評価されている

<ネガティブ>
・経済政策への懸念:金融所得課税強化や増税方針が市場に悪影響を与えるとの指摘
・党内基盤の脆弱性:派閥との関係が良好でなく、統率力に欠けるとの批判
・具体的な実行計画の欠如、決断力不足への批判

【林芳正氏】
<ポジティブ>

・政策通で実務面での能力が高く評価されている
・多くの大臣ポストを経験し、国際的な視野と実績を持つ
・内閣官房長官として安定した運営を行っている

<ネガティブ>
・中国との関係が近すぎるという批判
・フレッシュ感に欠け、新しい変化を期待できないという評価
・派閥政治の色が強く、支持の広がりに欠ける

【小林鷹之氏】
<ポジティブ>

・40代という若手で自民党のイメージ刷新への期待がある
・東大法学部卒、財務官僚、ハーバード大学院修了という優秀な経歴を持つ
・政策に関する幅広い知識と深い理解を持ち、政策通として評価されている

<ネガティブ>
・統一教会との関係性や関連イベントへの参加が問題視されている
・党内をまとめる力量が不足しているとの指摘がある
・事務所費の不記載問題など、政治資金の透明性に疑問がある

※集計期間:2024/08/01〜2024/09/27
※対象記事:「総裁選」+「候補者名(得票数上位5名のフルネーム)」の入った記事
※分析方法:LLM(大規模言語モデル)を使用し、対象記事の感情を分析。そこからさらに、感情をカテゴリごとに分類し要約

第50回衆議院選(投開票日:10月27日)

投稿数

集計期間中に投稿された衆院選にまつわる記事は3,690件でした。衆議院を解散した10月9日から徐々に増えはじめ、10月15日の公示以降でさらに記事数が伸びています。政党別では、自民党に関する記事が、他政党に大差をつけて1位となりました。

※集計期間:2024/09/27〜2024/10/27
※対象記事:「衆院選」または「衆議院選挙」+「主要7政党名」が入っている記事。一つの記事の中で複数人の候補者に言及していた場合は、重複してカウント

各政党への論調

ポジティブな論調の比率
1位は、れいわ新選組。2位以降には国民民主党、共産党が続きます。れいわ新選組は集計初日と比較して20ポイント強上昇している一方、公明党は約16ポイント減少する結果となりました。

論調の理由 ※表は上から投稿数の多い順
それぞれ、以下の通りです。

【自民党】
<ポジティブ>

・政権与党としての実績や経験、組織力の高さ
・地方での強固な支持基盤と組織票の維持
・石破新総裁による党改革への期待感
・裏金問題への対応として非公認措置を取るなど規律維持の姿勢

<ネガティブ>
・政治とカネの問題による党への信頼低下、党の自浄作用の欠如
・統一教会との関係性への批判
・党内での派閥対立や分断の深刻化
・単独過半数割れの可能性

【立憲民主党】
<ポジティブ>

・野党第一党として政権交代を目指す積極的な姿勢
・具体的な政策提案(最低賃金1500円、教育無償化など)
・野田代表就任による中道保守路線への期待
・政治資金の透明化や企業献金禁止などクリーンな政治を目指す姿

<ネガティブ>
・政策の具体性不足や実現可能性への疑問
・経済政策(特に物価目標0%や増税路線)への批判
・過去の民主党政権時代の失敗への不信感、政権担当能力への懐疑的な見方
・批判に偏重し建設的な提案が少ない

【公明党】
<ポジティブ>

・自民党との連立与党として安定した政権運営の実績
・組織力と緻密な選挙戦略による安定した集票能力
・「小さな声を聴く力」という市民目線の姿勢
・防災対策や単身者支援などの政策提案

<ネガティブ>
・創価学会員の減少と支持基盤の弱体化
・議席数の減少予測と厳しい選挙情勢
・自民党との連立による過半数割れの懸念
・政教分離の観点からの批判

【日本維新の会】
<ポジティブ>

・大阪を中心とした関西圏での強い支持基盤と優勢な選挙区の存在
・消費税減税や教育無償化など具体的な政策提案
・「身を切る改革」「有言実行」などの改革姿勢
・若い候補者の存在と世代交代への期待

<ネガティブ>
・大阪万博の運営問題やIR(統合型リゾート)問題による不信
・関西以外の地域での支持拡大の困難さ
・所属議員の不祥事や問題行動の多発
・高齢者層への対応の不十分さ

【国民民主党】
<ポジティブ>

・政策提案型の姿勢と具体的な政策(減税、社会保険料軽減、賃上げなど)への評価
・20-30代からの支持率の高さと若者向け政策の充実
・政治資金の透明性確保への積極的な姿勢
・玉木代表の政策通としての評価

<ネガティブ>
・候補者数の少なさや組織力の弱さ
・玉木代表一人への依存
・政策の現実性や実現可能性への疑問
・支持基盤の脆弱性

【共産党】
<ポジティブ>

・大企業や富裕層への課税など具体的な財源を明示している点
・政党助成金を受け取らない透明性の高さ
・赤旗による政治スクープの報道実績
・消費税減税や賃上げなど具体的な政策提案

<ネガティブ>
・党員・支持者の高齢化と組織の弱体化
・多くの選挙区での低い得票率と苦戦
・党首交代による影響と世代交代の遅れ
・野党共闘における調整の困難さ

【れいわ新撰組】
<ポジティブ>

・消費税廃止・減税など明確な経済政策の提示
・市民ボランティアによる草の根活動の展開
・山本太郎代表の演説力・発信力への高評価
・マイノリティ支援や社会的弱者への配慮

<ネガティブ>
・政治資金収支報告書の記載漏れ問題
・ボランティアスタッフとのトラブル
・政策の実現可能性への疑問
・「小党」としての組織力不足

※集計期間:2024/09/27〜2024/10/27
※対象記事:衆院選」または「衆議院選挙」+「主要7政党名」が入っている記事
※分析方法:LLM(大規模言語モデル)を使用し、対象記事の感情を分析。そこからさらに、感情をカテゴリごとに分類し要約

アメリカ大統領選(投開票日:日本時間11月6日)

投稿数

集計期間中に投稿された米大統領選にまつわる記事は、10,538件でした。候補者別では、トランプ氏に関する記事がハリス氏に言及した記事に対して2倍超多い結果となりました。

※集計期間:2024/09/01〜2024/11/06
※対象記事:「ハリス」または「トランプ」のいずれかが入った記事。ただし「トランプ」+「カード」の両方が入った記事は除く。

各候補者への論調

ポジティブな論調の比率
テレビ討論会のあった9月10日直後は急落したものの、終始トランプ氏が優勢な結果となりました。

論調の理由 ※表は上から投稿数の多い順
それぞれ、以下の通りです。

【ドナルド・トランプ氏】
<ポジティブ>

・ 強い指導力、具体的な政策提案、明確な目標設定、カリスマ性の高さ
・減税政策、規制緩和、雇用創出、製造業復活への取り組み
・労働者層、保守層、ヒスパニック系など多様な支持層の獲得、大規模集会での動員力
・中国への強硬姿勢、北朝鮮との対話実現
・暗号資産政策への前向きな姿勢、宇宙軍創設の実績、新技術開発の推進
・政府効率化、既存システムへの挑戦
・イーロン・マスクなどの著名人からの支持獲得

<ネガティブ>
・社会の二極化を助長する発言や行動、対立的な政治手法
・複数の刑事訴追や裁判に直面、司法との対立
・複数回の暗殺未遂事件の標的、議会襲撃事件との関連
・保護主義的な通商政策、強硬な移民政策、財政赤字拡大のリスク
・虚偽情報の拡散、差別的発言、根拠のない主張
・同盟国との関係悪化、国際協調体制への懸念
・主要メディアとの敵対的な関係
・選挙結果否認、権威主義的傾向

【カマラ・ハリス氏】
<ポジティブ>

・テレビ討論会での優勢な評価(63%の支持)と冷静な対応力
・初の女性・有色人種の大統領候補としての歴史的意義
・テイラー・スウィフト、オバマ夫妻、オプラ・ウィンフリー、ビヨンセなどの影響力ある人物からの支持
・住宅支援、中間層支援、子育て支援、環境政策など明確な政策ビジョンの提示
・クリーンエネルギー推進やEV支援など環境保護への明確な取り組み
・大規模な選挙資金の確保と小口献金者からの強い支持
・チェイニー元副大統領など共和党重鎮からの支持獲得

<ネガティブ>
・移民政策やフラッキング政策など、立場が変遷している点への批判
・インタビュー対応、アドリブ力、副大統領としての実績不足への指摘
・インタビュー回避、質問への不明確な回答、テレプロンプター依存
・黒人有権者、ヒスパニック層、労働組合からの支持低下
・増税政策による市場への悪影響、財政赤字拡大への懸念

※集計期間:2024/09/01〜2024/11/06
※対象記事:「ハリス」または「トランプ」のいずれかが入った記事。ただし「トランプ」+「カード」の両方が入った記事は除く。
※分析方法:LLM(大規模言語モデル)を使用し、対象記事の感情を分析。そこからさらに、感情をカテゴリごとに分類し要約

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