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AIとデータを駆使して、noteの理想に挑み続けるスペシャリストたち

「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」という大きなミッションを実現するために、日々カイゼンを重ねているnote。このあくなき挑戦を陰で支え、リードしているポジションが、機械学習(ML)エンジニアとデータサイエンティストです。

今回の#noteのみんなでご紹介するのは、MLエンジニアの安井顕誠(やすい・けんじょう)さんとデータサイエンティストの中川優(なかがわ・まさる)さん。いままであまり語られてこなかった、でも、とても重要なMLエンジニアとデータサイエンティストの役割について、おふたりとCTOの今(こん)さんに聞いてみました。

500万を超える記事のなかから、あなたが「読みたい」と思える記事を

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今雄一:CTO/ディー・エヌ・エーにてソーシャルゲームのサーバーサイド開発業務と運用を経験。2013年9月より現職。noteの立ち上げ時から開発に参加し現在に至る。

ーそもそもMLチームやデータチームができた経緯は?

今:MLからお話しすると、発端は2017年の機械学習ブームですね。

CEOの加藤さんが「そろそろAIやらないと」って、東京大学の松尾研のディープラーニング公開講座に通うようになりました。ぼくも付き合って一緒に宿題をやっていたところ「今さんはこれから半年間は、noteのMLしかやらなくていいよ」と。

それからは初期のカテゴリ分類やスパムフィルタなどをつくっていたんですが、ツールチェーンも今ほど洗練されていなかったので探り探り進めていたのを覚えています。そのうち扱うデータ量が増え、サービスが複雑化していくと同時にぼく自身も忙しくなっていったので、専任のMLエンジニアにバトンタッチすることにしました。

安井:ぼくが入社したのが、2019年7月です。前任のMLエンジニアが、今さんから引き継いで、noteのカテゴリ機能や記事最下部にある「こちらもおすすめ」のリコメンド機能を整えてくれました。いまはぼくやMLチームのメンバーが引き継いで、主にリコメンド機能の拡充を担当しています。

もう少し具体的にいうと、いままでリコメンド機能にはひとの手が加わっていたんですね。ちゃんとクオリティの高い記事をリコメンドできるように、マンパワーでチェックしていました。

ただ、記事が増えているなかでマンパワーで対応するには限界があるわけです。記事が500万(2019年7月当時)を超えたのに、そのうちのごく一部しかリコメンドできていなかった。そこでMLで自動チェックのような仕組みをつくることにしました。いまは試験的に導入していて、以前と比べてリコメンドできる記事の幅は広がっていると思います。

ぼくたちがリコメンド機能の強化で実現したいこと。それは大きく分けて3つあります。ひとつは、クリエイターも記事も増えるなかで、「読みたい」と思える記事をユーザーに届けること。ふたつ目は、ユーザーに興味のある記事だけではなく、作品を通じて多様性を感じてもらうこと。みっつ目は、表現の自由を守りつつ、安心できる雰囲気をつくること。

そして、それらの3つを通じて、クリエイターの創作意欲やモチベーションをかきたてること。それがMLエンジニアの役割であり、ミッションですね。

ーデータチームについても教えてください。

今:データを取得して可視化していく体制は、2017年の深津さんがCXOとして就任したタイミングにできてきました。通常であればダッシュボードをつくってユーザー数やオーガニックでの流入などのヘルスチェックをするのが一般的なんですが、当時はリソースも足りずノータッチで(笑)。

深津さんが「noteはデータを見ていなさすぎ」と、時間をかけてデータの仕込みや可視化を進めてくれました。途中からはTHE GUILDの安藤さんにも協力してもらって。

中川:ぼくが入社したのは、2019年1月です。いまはTHE GUILDの方たちとグロース戦略顧問の樫田さんと一緒にデータを分析しています。具体的にはデータの可視化、データからサービスの現状を把握するための仕組みづくり、カイゼンチームとのデータを活用した次の施策の企画などですね。

CFO向けの会計周りのサポートや、ビジネスチーム向けの営業用数値の算出なども手がけています。

※データまわりの体制づくり、深津と樫田さんの考え方はこちらの記事をご覧ください。

売上至上主義ではないnoteならではの難しさ

ーそれぞれのポジションで“noteだからこそのやりがいや難しさ”があるとしたらなんでしょう?

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安井顕誠:MLエンジニア/toB広告領域のエンジニアとして広告オークションの入札ロジック開発に従事。2019年7月より現職。ユーザーがいい記事に出会うための仕組みづくりに、MLなどの技術を活用している。

安井:そうですね……noteだからこその仕事はありますね。

一般的な企業だったら、「もっと有料記事をリコメンドしよう」みたいな話になって分かりやすいと思うんですが、noteの場合は売上とリコメンドの基準を関連づける考え方が存在しないんです。noteの世界観やミッションが判断基準になるので、「どうやったらユーザーの興味関心にあったクオリティの高い記事をリコメンドできるか」を突き詰めることができる。

もちろん、これは「アルゴリズムを適用させればOK」という単純な話ではありません。一人ひとりにどの記事をリコメンドすればいい記事と出会う体験につながるかということなので、難しい部分でもあります。

今:noteはビジネス、小説、コラム、マンガなどさまざまな創作物と出会うことができる。だから、ユーザー一人ひとりに最適化していくことが得意なMLには、社内的にも期待は大きいんですよね。ただ、考慮しなければいけないことは多い。

安井:はい。だから、たとえば機能を追加したり、内容や書き方の傾向を掴んだりして、ユーザーがいい記事と出会える仕組みをつくっていきたいと思います。

そのため、入社してからは空いている時間を見つけてはnoteの記事をひたすらに読みまくりました。1日100記事、多い時は200記事は読んでいましたね。そのなかで「この記事はリコメンドしていいのか」「ダメならなぜダメなのか」「じゃあどのような判定基準が必要か」……といったところを言語化してきました。

ーデータサイエンティストとしてはいかがでしょう?

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中川優:データサイエンティスト/ゲーム会社のデータサイエンティストとしてデータ分析のスキルを積み、2019年1月より現職。noteのデータ分析だけではなく、CFOのサポート、営業数字管理まで幅広く手がけている。

中川:分析する側としてレベルは高いと思いますよ。

ぼくは以前ソーシャルゲーム会社でデータ分析をしていたんですが、営利企業であれば当然「売上」が明確なゴールになる。分析するデータも「売上」からブレイクダウンしていくから決めやすかったんです。

でも、noteは売り上げのようなわかりやすい目標数値を追いかけるというより、サービス全体のバランスを取っていくことに重きが置かれる。それどころかゲームと違い、「書く側」と「読む側」の2パターンのユーザーがいるわけです。「どのデータを分析するか、分析結果をどう活かしていくか」に関しては自問自答を繰り返していますね。

個人的に、ぼくのように分析する立場の人間は、企画を考える人間と同等に話ができないといけないと思っています。だから、最初の頃は自分もクリエイターになってnoteにいろいろ投稿してみたり、たくさん読んでみたりしながら、自分が扱っているデータと感覚をすり合わせるように努力していました。

ー安井さんは前職と比較していかがですか?

安井:前職は、toB広告領域におけるMLエンジニアだったので、やはり「売上」や「利益」がゴールになることが多かったですよ。toC向けにMLを活用したいと考え転職したのですが、noteを選んだ決め手はまだまだカイゼンの余地がありそうだったから。

いまはカテゴリ分類やリコメンドをメインに担当していますが、まだまだあらゆるクリエイターの記事をユーザーに届けられているとは言えないので、noteのフェーズとしては0→1(ゼロイチ)。MLの知識を活かせる可能性をおおいに秘めていると思います。

noteをユーザーの理想に近づけたい

ー今さんにお聞きしたいんですが、お二人を採用した決め手とは?

今:安井さんはなんといっても粘り強さですね。noteを読みまくったエピソードからもわかるように、とにかく徹底的に観察して違和感を言語化できる。

たとえば、一見ビジネス系の記事でも、読み進めていくと自己啓発やライフスタイルに寄っていたり、経済小説だったりするケースもあるんです。そういうときに「どのカテゴリに属させるべきか」「創作物なのか論評なのか」などを検証する必要がある。個別に考慮が必要で泥臭い作業になるのですが、やり遂げてくれそうな粘り強さに惹かれました。

中川さんはソーシャルゲーム業界出身で、データが売上や各種KPIに及ぼす影響を観察して、調整していくプロセスに慣れています。

というのも、ゲーム業界はデータで売上が動くんですよ。たとえばガチャのSSランクが出る確率を落としたら、売上自体は上がるかもしれない。でも、来月以降はユーザーが来訪してくれなくなる……みたいなことが起こり得るんです。ほぼデータの世界といっても過言ではないでしょうね。だからこそ、迎え入れた部分はおおいにあると思います。

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ーでは、最後に今後の目標について聞かせてください。

安井:ぼくの仕事は基本的にゴールはないんですが、いい記事をつくればちゃんと読んでほしいユーザーに届いて、反応が得られる状態をつくっていきたいですね。

いまはユーザーが増えていて、どうしても埋もれてしまう。自分にマッチした記事を見つけやすい状態を構築したいと思います。それによってクリエイターのモチベーションが上がって、創作を続けられるようになる。そんな好循環をMLやデータを活用してつくっていきたいですね。

中川:そのために、まずはnoteのユーザー登録をして欲しいですね。会員登録してnoteを利用していただけると、興味関心にマッチした記事と出会えるようになっていくので。

ーMLやデータを駆使して、note躍進をリードしていくーーそんな志をうかがい知ることができたインタビューでした。今日はありがとうございました。

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Text by 田中嘉人、Photo by 関矢瑞季
note株式会社は、2011年12月8日に生まれました。
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“だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。“をミッションに、表現と創作の仕組みづくりをしています。note(ノート)では、クリエイターが各自のコンテンツを発表してファンと交流することを支援しています。cakes(ケイクス)は、cakes発のベストセラーを多数輩出しています。

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