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「デザインの力で、noteの飛躍的なグロースを実現したい」noteが求めるデザイナー像とは

「デザインは手段」と言い切れるひとがほしい。

そう語るのは、2022年2月に入社したCDO(Chief Design Officer)の宇野 雄うの ゆうさん。宇野さんの加入で、より一層注目度を増していくnoteのデザインチームは、今後どのように組織を成長させていきたいと思っているのでしょうか。宇野さん、デザインチームリーダーの沢登 達也さわのぼりたつやさん、デザインチームの松下まつしたゆきさんに話を聞きました。そして冒頭の発言の真意とは?

日々進化する、noteにおけるデザイナーの役割

宇野 雄うの ゆう/note CDO
制作会社やソーシャルゲーム会社勤務の後、ヤフー株式会社へ入社。Yahoo!ニュースやYahoo!検索などのデザイン部長を歴任し、その後クックパッド株式会社でVP of Design/デザイン戦略本部長を務める。2022年2月よりnote株式会社 CDOに就任。
東京都デジタルサービスフェローの他、数社でデザイン顧問/フェローも請け負う。著書に『はじめてのUIデザイン(PEAKS)』『フラットデザインで考える 新しいUIデザインのセオリー(技術評論社)』など。note /Twitter


ーまず、それぞれの役割から教えてください。

宇野さん:CDOはデザイナーを統べるというよりも、「全社のデザイン」を統べることがミッションです。デザインのバックグラウンドを持った人間として経営や組織づくりに活かしていくことが期待されています。

ー具体的にはどういった業務になるのでしょうか?

宇野さん:正直、まだ戦略を練っている段階です。noteはデザインへの理解が深い組織ではありますが、デザイン経営を推進していくにはまだまだ地盤が整っていない。なので、今はその地盤づくりのために全社の戦略を整え、その後その上にデザイン戦略をのせるという順番で取り組んでいるところです。

ーCXOの深津さんとはどのように役割の棲み分けをしているのでしょうか。

宇野さん:明確な棲み分けはしていません。入社以前より深津さんとは「いままでのバックグラウンドが違うから、仮に意見がぶつかっても議論すればいいですよね。たくさんの知見が集合されることのほうが大事ですよね」というコミュニケーションを取っています。お互いの強みを理解したうえで、引き出し合っていきたいと思っています。

あえて違いを挙げるとするなら、デザインチームのトップとしてデザイナーに動いてもらえる点です。当然、デザイナーたちのスキルや報酬のアップといった人事設計にも関わっていく。デザイナーの成長にもコミットしている点はぼく独自の役割かもしれません。

ー沢登さんはいかがでしょうか?

沢登 達也 さわのぼり たつや/デザイナー
ウェブ制作会社のマークアップエンジニアや、UI・サービスの制作会社を経てnote株式会社に入社。 ウェブ・アプリのプロダクトデザインに関わりつつ、アクセシビリティ・デザインシステム・デザイン原則・デザイナー採用など、フェーズの変わり目で動き方を変えているデザイナー。 FigmaとかCSSとかコーヒーとかカレーがスキ。note /Twitter


沢登さん:ぼくは2022年4月からデザインチームのリーダーになりました。宇野さん直属のポジションです。noteのデザインチームは実は社内で最も大所帯で、しかもデザイナーそれぞれがプロジェクトを担当しているため、同じチーム内でもほかのメンバーの仕事内容が理解しにくい。そのあたりをクリアにしていくことが最初の業務だと思っています。

ただ、立場が変わったとはいえ、業務内容自体は大きく変わっていなくて。マネジメント経験自体はないですが、社歴も長く、リーダーになる以前よりメンバーとの1on1を勝手にやっていたので、特にプレッシャーを感じるようなことはないですね。

宇野さん:リーダーを人選するにあたっていろいろシミュレーションをしてみたのですが、沢登さんにお任せするのが一番しっくりきたんですよね。Slackでの発言ひとつをみてもフォロワーシップも強い。リーダーだからといって肩肘を張るのではなく、いままで通りの自然体で臨んでほしいですね。

沢登さん:ありがとうございます(笑)。宇野さんともよく話しているのですが、noteのデザイナーの職域は結構幅広く独特なので、そういった価値を社内外に伝えていきたいと思っています。

ー松下さん、お願いします。

松下まつしたゆき/デザイナー
制作プロダクションでWebデザインを経験後、Yahoo! Japanで女性向けメディアTRILLの立ち上げと運用にデザイナーとして携わる。
その後、note株式会社に籍を移し、デザイナー、ときにプロジェクトマネージャーとしてもプロダクトに関わっている。プロダクトマネージャーに挑戦する機会もあり。note /Twitter


松下さん:宇野さん、沢登さんと比べると一番プレイヤーとしての動き方が多いですね。2021年までは並行してPdM*としての動きもとっていたのですが、2022年以降はデザイナーとしての業務に専念しています。

*PdM:プロダクトマネージャー。担当する商品、サービスの開発から販売まで戦略を立て、実行、意思決定をする責任者。

先ほどのプロジェクトの話をすると、コンテンツと読者のマッチングを追求していく部分を担当しています。いわゆるデザイナーとして手を動かすだけではなく、市場調査やユーザーインタビューなどを実施して、今後の方針に還元させるような施策にも取り組んでいます。

ーデザイナーとしての業務領域を拡張している印象を受けます。

松下さん:noteでは私以外にも同じような働き方をしているデザイナーは多いですよ。

私が参加しているのはコンテンツと読者のマッチングを目指しているプロジェクトなので、機械学習のアルゴリズムやレコメンドエンジンなどが中心になることは間違いありません。ただ、エンジニアリングのみに依存していると「この記事は自分にとっては不愉快だった」「もっと違うものがいい」「これは好きだった!」と感じた人にどう応えるかの手段が狭まります。

大事なのは、そのあとにどのようなコミュニケーションの選択肢を用意できるか。定量的なデータだけだとイメージしづらい部分はユーザーに聞きにいき、noteへの期待を吸い上げる。そして「こういうコミュニケーションができるのではないか」と定性的なデザイナー目線で、プロダクトに還元していくことが役割です。


デザインへの理解が深い組織で働く醍醐味

ー仕事のおもしろさとしてはどのあたりでしょうか?

沢登さん:大きく分けて2つあります。1つは逆説的な言い方になってしまうのですが、難しいことがおもしろいですね。少なくともぼくは、課題が明確で手を動かせば何かしらを解決できる状態はモチベーションにはならない。

もう1つはサービスの独自性です。国内には数多のサービスがありますが、noteと似たサービスはほとんどない。難易度の高さと独自性のバランスが自分に合っています。

正解がないので、不安な気持ちになることもあります。ぼくも入社以来ずっと手探りなので(笑)。でも、noteが掲げる「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」が方向性を示してくれることが多いので、手探りながらも一歩ずつ前に進めている感覚はあります。

松下さん:個人的には、noteで働く最大の魅力はMVVに対してみんなで真剣に取り組んでいる点だと思っています。日々のコミュニケーションもMVVに基づいてやり取りされるし、サービスのグロース施策を検討する際も「ちゃんとMVVに沿っているか」が論点になる。役割上、デザインという行為でMVVの実現に向けてリードしていくのがデザイナーですが、ほかのチームも同じ目線で取り組んでいます。

組織で働いていると、つい目先の利益に追われて進む方向がバラバラになりがちです。しかし、noteでは同様のケースは見たことがありません。「自分たちは社会とって価値のあるプロダクトを提供できているか」とお互いに確かめ合いながら働ける点はとてもワクワクします。

ー宇野さんはいかがでしょう?

宇野さん:松下さんの話にも通じますが、ぼくはそもそもミッションドリブンな会社が大好きなんです。数字で積み上げていくのも楽しいですが、noteのようにいろいろなひとの想いによってできあがっているサービスは素敵じゃないですか。

良くも悪くも属人的なところも含めて愛着を持てるし、いつも「このサービスはずっと使うだろうな」と思っています。同じような感情を抱いているのは、おそらくぼくだけではないはずです。サービスのつくり手として誰かの人生に寄り添えるのであれば、これ以上嬉しいことはありません。

しかもnoteは新たな経済圏「クリエイターエコノミー」の成長を目指すサービスです。自分の手がけるサービスを通じて、変化の兆しを見せ始めている世の中をリードしていくことには大きなやりがいを感じています。

ー逆に難しい点は?

松下さん:沢登さんの話の繰り返しになってしまうのですが、正解がない点ではないでしょうか。極めて抽象的な言い方になってしまうのですが、単純に数字を積み重ねていくだけだとnoteの目指す世界からズレてしまうシーンに直面するサービスです。そのため「これをやっておけばOK」という指標がひとつではない。

社内では「noteは街」と表現しています。わたしたちが暮らしているリアルな「街」と同様に、noteクリエイター自身にも、それぞれがnoteに期待していることにも、多様性があります。複雑な状況下で優先順位をつけなければいけないこともあるし、かといって排除してはいけない。バランスをとりつつ意思決定をしていかなければならない点は、かなり大変だと思います。

ーnoteのようにデザインへの意識が高い組織におけるデザイナーの役割についてはどのようにとらえていますか?

宇野さん:大前提として、note社内のデザインへの意識を底上げできたことは大きな成果だと思います。デザインの価値や考え方を組織にインストールできないと、デザイナーは表層をキレイにするだけのひとに留まってしまうので。デザインチーム以外のメンバーがデザイナー目線で物事を考えられるようになった事実こそ、沢登さんや松下さんの大きな成果だと思います。

今後果たしていくべきは、組織のデザインへの意識をさらにリードしていくこと。いずれはデザイナーではなくても、コンセプト決めからアウトプットまでをきちんと手がけられるような組織にしていきたいと思っています。

松下さん:そうですね。デザイナーの仕事は助走期間がすごく長いんですよ。たとえばバナーひとつをつくるとしても、ターゲットや訴求ポイント、パッケージなどを考え抜かなければならない。もちろんデザイナーが得意であるべきですが、別の他の職種のメンバーが得意でもまったく問題ありません。考え方のフレームワークやナレッジをシェアして、より組織の理解を深めていきたいですね。

新たな経済圏「クリエイターエコノミー」実現の準備は整った

ー改めて、このタイミングでデザイナーを増員する理由とは?

宇野さん:この先noteがより多くのクリエイターに使ってもらうことを見据えて、新しい血を入れていきたいからです。今後noteをいまの10倍のひとに使ってもらえるサービスに育てていくためには、同じようにサービスを10倍とグロースさせてきた経験が必要です。

そして、沢登さんや松下さんのようにこれまでnoteの歴史をつくってきたひとたちとコラボレーションし、さらなる進化をリードしてほしい。クリエイターエコノミーを実現するための準備は整いつつあります。大変な部分はありますが、ダイナミックな仕事に携われるチャンスです。

ーどういった方であれば活躍できそうですか?

宇野さん:理想だけをお伝えすると、MVVに共感しつつ「デザインは手段だ」と言い切れるひとがいいですね。ひとつの手段に固執するのではなく、日々世の中の変化に応じてアウトプットを検討し、アレンジしていけるような。

ー今のnoteだからこそ得られるやりがいはなんでしょう?

沢登さん:デザイナーはnoteのミッションである「だれもが創作をはじめ、続けられる」ためのデザインを行う必要があります。非常に大きい課題へのチャレンジになるため、限定的なデザインを行っている方や未知の領域を楽しめる方だと、非常にやりがいを感じられるのではないでしょうか。

また、今後クリエイターエコノミーを実現していくにあたって「クリエイターがnoteだけで生活していける世の中をつくっていくこと」には、デザイナーという1クリエイターとして当事者意識を持って取り組めると思います。

松下さん:大きく分けて2つあります。

1つはデザイナーとして発想できるソリューションの幅を広げられること。noteでは、一般的なデザインセオリー以外にも、広報や企画からのアプローチも含め、自分たちの実体験に基づいて積み重ねてきたノウハウの引き出しから一番インパクトが出そうな選択肢をとる努力をしています。代表の加藤さんや深津さんの性質も影響しているかもしれませんが、バリエーションはとても幅広い。さまざまなパターンを自分のなかに蓄積できるのは、デザイナーのキャリアにおいて大きな財産になるはずです。

もう1つは沢登さんの話にも似ているのですが、デザイナーもある種のクリエイターなんですよね。私自身noteに記事を書くし、個人的に制作しているものもあるので、仕事の先に自分がいる感覚はあります。他の会社ではなかなか得られない感覚だと思います。

ー最後に宇野さん、お願いします。

宇野さん:マネジメントする立場として話をすると、デザイナーとしてはもちろんですが、「私にはこういうスペシャリティがあるので、noteに入社するとこんなことができる」「これからのnoteにはこういう力が必要ですよ」といったアピールも大歓迎です。もちろんポジションもご用意します。

私たちが目指すのはイノベーションです。期待に答えるのではなく、期待値を大きく上回るところで価値を提供していきたい。「いままでにない社会の仕組みを本気でつくっていきたい」と考えているひとと一緒に働きたいですね。


Text and Photo by 田中嘉人

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