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noteでの交流や出会いがクリエイターの創作意欲をかきたてる。ユーザーコミュニケーション担当の役割

「クリエイターがnoteで創作していてよかったと思える体験を増やすこと。それが私の使命です」。

そう話すのは、noteのPRチームでユーザーコミュニケーションを担当する金子智美さん。一般的に広報やPRというとメディア対応を担うポジションという印象が強いが、金子さんの役割は少し違う。そもそもユーザーコミュニケーションとは何なのか。そしてnoteとユーザーの関係はどのようになっていくのか。

冒頭の言葉からもわかるように、その決断には並々ならぬ覚悟がありました。

noteを使っていてよかった、そう感じるクリエイターを増やすために

写真:微笑みながら話す金子さん

金子智美(かねこ ともみ) / ユーザーコミュニケーション担当
エデルマン・ジャパンにてPRを経験した後、2009年に当時ネイバージャパン(現:LINE)入社。SNS運用やコミュニティ企画、社内のガイドライン作成などを担当。2020年4月にnote株式会社に入社し、PRチームとしてユーザーコミュニケーション全般を担当。note / Twitter

ー まず、金子さんは日々どういった業務を担当しているのかを教えてください。いわゆる広報やPRのイメージとは異なる業務ですよね。

一般的に想像される広報・PRとはちょっと違うかもしれませんね。多くの広報・PRがメディアや、その先にいる一般消費者や顧客と向き合っているのに対して、わたしが向き合っているのはnoteのクリエイターですから。ただ、関係性を築くという意味では、PR=Public Relationsであることに変わりはありません。ひとりでも多くの方が「noteで創作していてよかった」「もっといろんな創作をしてみたい」と思える体験を増やすこと。それが、私の役目です。

ー “向き合っている”とは具体的にはどういったことでしょう?

すごく多岐にわたるので、ひと言では言い表せられないんですが……たとえば、オンライン・オフライン問わずクリエイターの声を聞いたり、クリエイターが集まる場をつくったり、ですね。

ー いわゆるカスタマーサクセスに近いポジションですか?

似ているかもしれません。ただ、クリエイターによって“サクセスとはなにか”が違うんですよね。たとえば、書籍化や映像化を目指している方もいれば、まずは続けることやコメントで誰かに反応してもらえることがうれしい方もいます。わたしが向き合っているのは、どちらかというと後者のようなクリエイターの方たち。

その方たちが目標を叶えるための後押しをしたいと考えています。まずは「noteで同じ趣味のひとと出会えた」とか「毎週noteを書けるようになった」とか、そういった成功体験を積み重ねてもらえたら嬉しいですね。

クリエイターの声に答えがある

写真:インタビューに答える金子さん

ー そもそも、ユーザーコミュニケーションを担当するに至ったのには、どういった経緯があるのでしょうか?

ありがたいことに、noteはここ数年で多くの方に利用してもらえるサービスへと成長しました。もともと自然発生的なクリエイター同士のコミュニティもありましたが、そのコミュニティ活動の支援をしたり、興味はあるけれど動けていない方々の後押しをして、noteをきっかけとしたみなさんの結びつきを支援したいとわたしが採用されることになりました。

わたし自身が入社した決め手のひとつは、そんなnoteを愛するクリエイターの熱量です。入社前に参加した「note感謝祭」では、CXOの深津やデザインチームに対してクリエイターのみなさんが「この機能はなぜ付けてくれないんだ」「もっとこんな取り組みをしてほしい」とさまざまな要望をぶつけていました。その会場の熱気に圧倒されると同時に、自分もこのクリエイターのみなさんと向き合う仕事がしたいと入社への意欲が高まったことをおぼえています。

ー 実際に入社してみて、その印象は変わらないですか?

やはり、noteと真剣に向き合ってくれているクリエイターの存在は大きいです。note社として至らない点があった時には、厳しい声をいただくこともあります。

そういう方に直接お話を聞いてみると「noteが好きだからこそ、ここが残念」「こうなったらもっといいのに」といった気持ちがひしひしと伝わってくるんです。noteというサービスの今後を自分ごとのように捉えて、意見を発信してくれること自体がすごくありがたいです。だからわたしも「noteをよりよくしていくためには、もっとクリエイターの話を聞かなくてはいけない」という気持ちを強くしています。

写真:真剣な表情で話す金子さん

ー 金子さんは前職のLINEでもユーザーコミュニケーションを担当していたと聞きました。LINEとnoteの違いってなんですか?

スタンスの違いですね。LINEのときはサービス中心のユーザーコミュニケーションでした。「LINEを応援してくれる仲間、募集しています!」という交流や「LINEでお困りのことがあればサポートします」というスタンスです。

noteでは作品をとおしてクリエイター同士のコミュニティがすでにたくさんあります。サービス中心というよりもクリエイターを軸にしたコミュニケーションが生まれています。みなさんがやりたいことを実現できるようにバックアップしたり、「このnoteを書いているひとの話を聞いてみたい」といった声に応えたり。だから、いままでとは真逆な印象を受けています。

ー LINEでの経験で活きていることはありますか?

LINEの黎明期を経験しているからこそ、noteという環境が恵まれていることはものすごく実感します。これだけのクリエイターに愛されていて、認知度もあって、コミュニティもある。コロナ禍以前はnoteのクリエイターが自主的にお店を貸切にして交流するオフ会が開催されるほどでしたから。入社した当初は「私がやることなんてあるのか?」と思ったこともあります。

クリエイターの背中を押すための取り組み

写真:noteフェスで司会を務める金子さん
noteフェス2021の様子

ー これまでどういった取り組みを実践してきたか教えてください。

わかりやすいところで3つご紹介します。

まずは2021年10月15日〜17日で開催されたnoteフェスでのレポーター募集から説明させてください。note CREATOR FESTIVAL、通称noteフェスは、「創作の輪を広げる祭典」。さまざまな分野で活躍するクリエイターのみなさんが出演し、自身の活動についてお話いただきました。

ただ、参加者のなかにはnoteフェスの楽しみ方や今後の創作への活かし方がよくわからないというひとも少なくない。そこで、観覧席の最前列のような位置付けで参加者のお手本になるような楽しみ方を提示してくれるnoteフェスレポーターを募集しました。

みなさんが楽しむことはもちろん、参加者が「あんな感じで楽しめばいいのか」「noteでレポートってこうやって書くのか」とわかるような発信をしてもらうことが狙いです。実際、記事だけではなくグラレコやPodcastなどさまざまな形でアウトプットしてもらえたのは、すごくよかったですね。募集、抽選、事前の勉強会という過程を通じて、応募してくれた方たちとじっくりコミュニケーションをとれましたし。

2つ目は、「創作をまなびあう会」です。創作はどうしても孤独な作業になりがちなので、わからないことや相談したいことがあっても気軽に聞くひとがおらず、コンスタントな発信ができなくなってしまうことがある。そういった日々の悩みを解消してもらうために公式主催でnoteのクリエイターが気軽につながれる場をオンラインで設けました。

まだまだ始めたばかりなので、試行錯誤のフェーズではあるのですが、好評なのが「noteを読み合う会」という企画です。自分の書いたnoteを初対面のひと数名に読んでもらって、ポジティブなフィードバックをし合うシンプルな会なのですが、やはり「読んでもらえる」という体験自体が嬉しいらしく、参加者のみなさんには喜んでもらえています。

3つ目は、「安心創作勉強会」です。noteに限った話ではなく、インターネットで創作活動を続けるうえで知っておいたほうがいい情報を伝える勉強会です。これまでは「著作権」と「仕事受注のきほん」といったテーマで開催してきました。みんなが聞きたくても聞く機会のなかったテーマなのか、各回数百名の応募があります。

特に「創作をまなびあう会」と「安心創作勉強会」は、昔からnoteを使ってくれているクリエイターからも「すごくいい企画だね」「応援したい」というフィードバックをもらえたので、少しは期待にこたえられているのかなと励みになっています。

ー ありがとうございます。最後に今後実践したいことを教えてください。

写真:金子さんの手元

noteは「創作の街」を目指したプラットフォーム。ここでの出会いや交流が、クリエイターへの刺激となり、新たな創作が生まれています。いまは、まだリアルでの交流機会が少ない状況が続いています。私たちが介在することで、さまざまな興味関心を持ったクリエイター同士をつなげたり、すてきな創作物をみんなが見えるところに飾ったり、どんな出来事が起きているのかを街の内外に伝えていきたいと思っています。

具体的な取り組みで考えているのは、たとえばnote公式Twitterのパワーアップ。いままでは「今日の注目記事」の紹介がメインでしたが、リプライをはじめもっと個別のコミュニケーションを増やしていきたいと思っています。noteのサービス内では「連続投稿おめでとう」や「疲れたら休んでね」といった温度感のあるコミュニケーション設計を心がけています。Twitterなどnoteの外にもどんどん取り入れて、一環したやり取りを通じて、noteでの創作を楽しんでいただける空気を作っていきたいですね。

いい体験が増えていけば「次はこんなことをしてみよう」と創作への意欲もかきたてられると思うのです。そして、状況がゆるせばnote placeを活用した対面での交流も復活させて、もっとみなさんとの対話の機会も増やしたいですね。

「鷹の目」と「蟻の目」を使い分けて、どうしたらクリエイターの思い描く未来を実現できるか。そのことを考えて、noteをよりよくしていきたい。他にはない役割ではありますが、クリエイターのみなさんに期待を持っていただけたら嬉しいです。

写真:noteロゴの横に立つ金子さん


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Text and Photo by 田中嘉人

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