かっこいい大人がどういう人かはわからない、けれど
かっこいい大人って、どういう人を指すのかといつも考えている。どうやら見た目がいいことが必ずしも大人のかっこよさに繋がるわけではないな、と最近ようやく思えてきたが、まだ答えは出ない。
かっこいいって、なんだろう。
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オープン社内報とは?
一般的には社員しか見ることのできない「社内報」をだれでも見られるように公開することで、会社の中の様子を感じとってもらう記事企画です。
本日の担当:ITチーム 東
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その人は、いつもふざけているように見えた。
まだ今よりもずっと会社が小さい頃に入ってきたその人。ある日、その人がSlackの、確か雑談チャンネルのような、みんなが見るところで検尿がどうとかのエピソードを突然開陳し始めて、今よりもまだナードでオタクっぽい雰囲気だった会社にざわめきが起きた。その時はっきりと「なんだこいつは」と思ったのを今でも忘れない。
その人は、普段セールスという最前線のポジションにいるからか、何をするにも一発カマさないと落ち着かないように見えた。
別のある日、単なる社内連絡のために、ゴリゴリに作り込んだYouTube風の動画を用意して無駄なインパクトを狙ってきた。その後、社内の本物のYouTuberが動画を擦って改善するなど、みんなで散々遊び倒した結果、当の動画で何を言っていたのかを誰もが忘れ、「その人がそういうことをした」という事実だけがみんなの記憶に残った。当初の目的は達成されなかったものの、きちんとカマすことには成功したのは、とてもその人らしいと思う。
全体会がオンライン化してしばらく経った日のこと、その人がLTか何かで喋ることになった。note proをもっとみんなに知ってもらう試みだった気がする。まだ新しいプロダクトのことを、みんなに知ってもらうための時間を設けたのかなと思った。よくあるやつだ。
しかし、その人が話し終わった5分だか10分だかの後、衝撃が体を走り抜けていた。
その人は社内向けの製品紹介で、普段顧客にやっているようなプレゼンを実演したのだった。いわゆる「ガチモード」というやつだ。しかし、ただのプレゼンではなかった。
セールストークの定石は外さないながらも、よく練ったトークスクリプトを時にはわざと崩しつつ、スライドの展開に合わせて緩急自在に声のトーンを操り、最後に向けてぐいぐいと聞き手を引き込んでいく劇場型のプレゼンテーション。自分語りをしているように見えて、実はものすごく顧客のことを考える必要がある、難易度の高いスタイルだ。その実際を、その人はLTで披露していた。
ところで僕の仕事はコーポレートIT。社内システムを企画・構築・運用する仕事だ。
仕事柄、note proのようなSaaSプロダクトのセールスを受ける機会は多い。いろいろなセールスの話を聞いてきたが、セールストークで引き込める人は滅多にいない。なぜなら、人間は機能の星取表の説明や、競合との機能差の解説ではグッとこないからだ。
人間が人間をアトラクトするには必然的に「いま話しているあなた」がキーとなる。人を引き込むセールスをするには、話している人自身の魅力がプレゼンを通じて表現できていないといけないのだと思う。
普段ふざけまくっているその人が見せた、正真正銘のプロの仕事。そのギャップに、雷に打たれたようなショックを受けた。当時の僕が持った感慨は、今でもはっきりと覚えている。
「うわぁ〜。。。かっっっこいいいいいいい」
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その人、今はブランドソリューションチームというところにいる庭野さんは、当時たぶん狙って「ガチモード」をぶち込んできたのだろうと思う。見事にやられてしまって悔しいけれど、こんな人がnote proを売りに行ってくれてるんだと、じんわり感動した。
おかげさまで、note proは年々業績を伸ばしている。もちろんプロダクトを作る人、お客様の声を掬い取って社内にフィードバックする人が着実にnoteを大きく強くしたことで、新たなニーズを喚起している一面はあるだろう。
一方で、庭野さんをはじめとする「noteの営業」と相対したからこそ、手に取っていただけたお客様も結構いらっしゃるのではと思っている。noteのセールスチームはハードに仕事をしつつも、みんなでいつも明るく振る舞っているのが印象的なチームだ。バックオフィスから見ていて、いいチームだなあ、といつも感じている。その魅力がお客様にも伝わっていたら、同僚として誇りに思う。
この間、お客様のnoteに庭野さんが寄稿しているのを見た。地方中小メーカーの雄、イシダテック様のnote。精力的にnoteをお使いいただいた結果、最近ではZ世代にも名を轟かせるようになった、オウンドメディア功者の企業だ。
そんな巧者の特別企画にのっかって、庭野さんは本当にふざけた記事を書いていた。僕はまた「なんだこいつは」と思わざるを得なかった。
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結局「かっこいい大人」が具体的にどういうものか、僕にはわからない。それでも、いざという時にきっちりキメられる人はきっと、いつの時代の、どこにいても、かっこいい。ギャップがあれば、なおさら。
今回のバリュー
クリエイティブでいこう / Be Creative
クリエイティブというのは、ある状況に対して、前向きに楽しく問題を解決しようとする姿勢を指します。どんなに困難に見える課題でも、クリエイティブに解決する糸口は必ずあります。note株式会社のメンバーはそれを追い求めます。
クリエイター視点で考えよう / Creator First
note株式会社の事業の原点はクリエイターにあります。note株式会社のメンバーは、創作にかかわるすべてのひとと対話しながら、作品をつくること、つなげること、とどけることを手助けする方法を考えて実行します。