ChatGPT、実務にどう使う? noteで使われているプロンプトを大公開!
ChatGPTをはじめとする生成系AIで何ができるのか、最初は様子見をしている人もいたnote社内でしたが、今では一定の知見が溜まってきたといえるのではないでしょうか。
とはいえ、「実際にどうやって実務で活用すればいいの?」と悩んでいる人もまだまだ多いはず。そこでこの記事では、社内のメンバーがどのように生成系AIを実務に活用しているのか、事例や使用しているプロンプトをご紹介します。
明日から早速使ってみましょう!
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一般的には社員しか見ることのできない「社内報」をだれでも見られるように公開することで、会社の中の様子を感じとってもらう記事企画です。 本日の担当:PRチーム・岡田
「深津式プロンプト」をアレンジして使用
noteでは、note社のCXO・深津さんが社内の勉強会などで「深津式プロンプト」をはじめとした、チャットAIを活用するための考え方やポイントを紹介してくれています。
深津式プロンプトとは:ChatGPTを使用する際、入力・命令・制約・出力を明確にすることで、より精度の高い出力を可能にするプロンプトのこと。
具体的には、以下のようなイメージです。
## 命令書:
あなたは[プロの編集者]です。
以下の制約条件と入力文をもとに[最高の要約]を出力してください。
# 制約条件:
• 文字数は300文字ていど。
• 小学生にもわかるように。
•重要なキーワードを取り残さない。
•文章を簡潔に。
# 入力文:
[入力文章]
# 出力文:
▼深津式プロンプトについて解説したイベントのアーカイブ動画
では、実際にこれをどのようにアレンジしているのでしょうか。使用する際のコツと、note社内での使用例をみていきましょう。
活用のコツとプロンプト
コツ1 プロンプトは必要に応じて変更
先ほどご紹介したこちらのプロンプトですが、noteの社内でも、職種やシチュエーションに応じて変更して活用しています。
## 命令書:
あなたは[プロの編集者]です。
以下の制約条件と入力文をもとに[最高の要約]を出力してください。
# 制約条件:
• 文字数は300文字ていど。
• 小学生にもわかるように。
•重要なキーワードを取り残さない。
•文章を簡潔に。
# 入力文:
[入力文章]
# 出力文:
たとえば、上記の[プロの編集者]といった役割や、[最高の要約]などの成果物、制約条件などは使用したい目的によって変更して使用できます。
例:[プロの編集者]
→[マーケティングのプロ] [敏腕広報担当者] [ライター] [採用コンサルタント] など
例:[最高の要約]
→[プレスリリースの構成案] [最高の記事のタイトル] [集客のためのマーケティング施策] [イベントのテーマ]など
ここにあげた以外にも、さまざまな応用ができるので、ぜひ試してみてください。
コツ2 追加した方がいい情報はChatGPTに逆質問
また、以下のように必要な情報をChatGPTに逆に質問することで、内容を肉付けし、よりブラッシュアップすることも可能です。
このタスクで最高の結果を出すために、追加の情報が必要な場合は、質問をしてください。
たとえば、広報担当者がプレスリリースの構成を作成したいとき。
ここにどんな情報を追加すればいいのか、ChatGPTに聞いてみます。
このタスクで最高の結果を出すために、追加sの情報が必要な場合は、質問をしてください。
聞かれた情報を追記し、以下の指示を出せば、それを盛り込んだ構成案も作成してもらえます。
では、それらを盛り込んで、企画を再構成してください。
もちろん、出力された内容をすべて、そのまま使えるわけではありませんが、どんな内容を盛り込めばいいのか参考になりますよね。
コツ3 ChatGPTにレビューしてもらう
ChatGPTはアイデアを出すだけでなく、考えているアイデアのレビューにも使えます。
以下のように指示して企画や文章をレビューしてもらうことで、客観的な視点でのアドバイスを得ることができるのです。
# 命令書:
あなたは[プロの編集者]です。
以下の[アイデア]をレビューし、改善ポイントを箇条書きにしてください。
#内容:
また、以下のように聞くことで、リスクを洗い出す際の参考にもなります。
下記の企画を実行した場合、想定されるリスクはありますか?
note社内の活用事例
ここからは、実際にnote社内でChatGPTを活用している事例をご紹介します。
事例1 マーケティング施策を表形式で案だし
例えばnote社のマーケティングチームでは、施策の案だしにもChatGPTを活用しています。出力方法として「表形式」を指定すれば、一覧化して施策を検討することも可能です。
あなたは[一般的なSaaSのマーケティングのプロ]です。
リードをより多く集めるための施策を表で日本語で教えてください。
マーケティングや広報、事業責任者の方に、オウンドメディアを始めたいと思っていただけるような施策を考えたいです。
# アウトプット: 施策名、詳細、必要な専門性、準備工数(人月)、重要度、優先度
こうした施策を考える際には、課題や施策の目的、商品やユーザーの特性などを追加していくことで、より自社にあった施策を検討することができます。
もちろん「機密事項や社外秘情報を入力しない」といった点には要注意。noteでも一定のルールを整備していますが、運用に気をつけながらうまく活用し、業務効率化に役立てたいですね。
事例2 メール文面の作成
何気に日々の業務の中で時間がかかるメール対応。文面案をGhatGPTに作成してもらえれば、少し手直しするだけでいいので、一からつくるよりも簡単です。
複数のパターンを出力すれば、より状況にあったものを選べるので便利ですよ。
事例3 商談・ミーティングの議事録や改善提案
商談やミーティングの際の文字起こしを読み込ませて、議事録を作成することも可能です。機密情報やお客さまとのやり取りの中で知り得た情報は入れないようにすることは大前提ですが、内容をまとめて関係者にサマリを共有することで、参加していない人にもわかりやすく、簡潔に情報を共有できます。
また、入力した内容や商談・ミーティングの中で出た課題をもとに、具体的なアイデアや改善点を出してもらえば、そのまま次の施策につなげることも可能です。
このミーティングの内容を受けて、考えられるプロモーションのアイデアを10個出してください。
考えられるリスクやメリット・デメリットも合わせて抽出すれば、その後の検討もスムーズに進められそうです。
事例4 プレスリリースをレビュー
社内では、企画の進行やディスカッションの前に「まずChatGPTに聞いてみよう」という流れが広がっています。
私が所属するPRチームでは、社外に発表するプレスリリースや記事の作成などを担当していますが、その際にもChatGPTのレビューが役立ちます。
ChatGPT先輩からは、長すぎてちょっと掲載しきれないくらいのアドバイスをもらいました。もちろん、以下の追加指示も組み合わせながら活用しています。
このタスクで最高の結果を出すために、追加の情報が必要な場合は、質問をしてください。
では、それらを盛り込んで、企画を再構成してください。
当然、こちらもすべての内容がそのまま使える、というわけではありません。
ですが、切り口を考える際に、非常に参考になる意見をくれるツールだなと思います。
ぜひみなさんも、自分の業務で試してみてくださいね。
noteには生成AI活用の参考になる記事がたくさん
今回ご紹介した活用法以外にも、noteには生成系AIに関する多くの記事が投稿されています。
どんどん新たなツールや活用法が生まれ続けている生成系AI。ぜひ、最新の情報をチェックして、業務に役立ててみてくださいね。
今回のバリュー
クリエイティブでいこう / Be Creative
クリエイティブというのは、ある状況に対して、前向きに楽しく問題を解決しようとする姿勢を指します。どんなに困難に見える課題でも、クリエイティブに解決する糸口は必ずあります。note株式会社のメンバーはそれを追い求めます。
すばやく試そう / Try First
新しいことに取り組む時、まず、すばやく、小さく、試すことからはじめます。大きな問題は分割し、議論が長引きそうなときには、どんどん手を動かして、動くものを前に議論します。大事なのは事業を具体的に前にすすめることです。