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クリエイター発掘だけではない。noteのコンテストに秘める、新たなブランディングの可能性

コンテスト入賞作品がドラマ化!

そんな華々しい告知が、note上に出るときがあります。決められたお題に対して、クリエイターが作品をつくり、受賞者を決める……コンテストは「クリエイター発掘の場」としてnoteに定着してきました。

「実はコンテストは新たなブランディングの手法でもあります」と語るのは、コンテストメニューの企画・開発を手がける角さん、児島さん、山本さん。一体どういうことなのでしょうか。その真意に迫ります。

コンテストは、クリエイター発掘だけが目的ではない

note上で開催されている、コンテストの告知ページ

ー まず、noteのコンテストについて教えてください。「コンテストは新たなブランディングの手法」とは一体どういうことなのでしょうか?

児島さん:もともとはcakesクリエイターコンテストテレ東と幻冬舎と共催したコミックエッセイ大賞のように「クリエイターの才能発掘」を目的としたメニューでした。数多くのコンテストを企画・開催して実感したのは、クリエイターならではの視点の鋭さや表現力の高さ。

そんなクリエイターの才能を「情報発信を強化したい企業やブランドと掛けあわせれば、企業が社会にひろめたいパーパスやメッセージへの共感者も増やせるのではないか」と考え、現在の形に行きつきました。

真剣に話をする児島さんの写真

児島 周平(こじま しゅうへい)
総合広告代理店〜ファッション系スタートアップを経て、2020年9月noteに入社。現在はブランドチームで、コンテストサービスを中心に法人クライアントの窓口、新規サービス開発、外部パートナーとの協業メニュー開発に従事。note / Twitter

角さん:おなじお題とは思えないほど多様な作品が集まるし、なかにはこれまで企業が考えてこなかったような切り口の作品が数多くnoteに載ります。それだけでも企業にとっては大きなブランディングですよね。

ー 企業が出すお題に対してクリエイターがnoteを書くプロセスそのものがブランディングになる、と。

角さん:さらに最近では、自社の社員にもそのお題で記事を書いてもらうことで、社内でのパーパスやメッセージの理解促進にもつなげる事例もでてきています。自分で書こうと思ったら、自分のなかで解釈して、言語化しなければいけないので。自社理解にもつながって、評判がいいようです。

ー なるほど、インナーブランディングの効果も期待できるわけですね。コンテストのお題はどのように決めているのですか?

山本さん:企業と個人がフラットにつながれるものを設定しています。企業側からは「商品名やサービス名をお題にしてほしい」といった要望をいただくこともあるのですが、クリエイターの創作意欲がかき立てられるようなテーマにすることを大切にしています。

そういう意味では、それぞれのクリエイターが自分ごととして捉えられる抽象度の高いお題を設定する傾向が強いかもしれません。もちろん広く認知されている商品やサービスであれば、そのままの名前をお題にすえることも可能だと思うので、今後も柔軟に対応していきたいと思います。

ー ちなみにコンテストで受賞したクリエイターには、どんないいことがあるのでしょう?

角さん:前提として、コンテストを通じてクリエイターの才能を発掘したいという気持ちは、変わらず持ち続けています。メディアと共催するときは「連載デビュー」「書籍化」「映像化」などわかりやすいものがありますが、メディアではない企業が主催する場合は少し毛色が異なります。

コンテストごとに用意されている賞品に加え、たとえばライターとしてその企業の公式noteのライティングを任されるなど新たな活躍のチャンスも生まれています。

企業やブランドがnoteを活用するメリット

笑顔で話す、角さんの写真

角 明洋(かど あきひろ)
ブランドチームリーダー。サイバー・コミュニケーションズ、Google、YouTube、アマゾンジャパンなどでインターネット広告黎明期から広告事業や新規事業に携わる。2021年7月にnoteへ入社。


ー 続いて、皆さんが所属するチームの役割を教えてください。

角さん:現状はコンテストの企画・開発に注力していますが、そもそもチームのミッションは、「大手ブランドがnoteを使う理由を社内外のパートナーとともにつくり、大手ブランドの創作を後押しすること」です。企業やブランドがnoteを活用し、続けていくために必要となるメニューをつくっていくこと。それがわたしたちの役割です。

ー “創作を後押しする” ですか?

児島さん:SNSによってだれもが発信者になれる時代になり、リアルもネットも情報であふれています。そのなかで企業やブランドが顧客から選ばれたり、顧客と関係性を築いていくためには、大々的に広告を出してインパクトを残すようなこれまでの手法に加えて、情報発信を続けていくことがとても大切です。

継続的に自社の情報に触れられる機会をつくることで、企業やブランドが発信するメッセージの意味を正しく伝え、共感を促していけると考えています。

ー 企業やブランドが情報発信を続けていくうえでnoteを選ぶメリットは何だと思いますか?

児島さん:企業やブランドの“人格”を伝えられる点ではないでしょうか。noteは長文のコンテンツなども読まれやすく、かつ広告もないので、企業の想いやストーリーなどを載せて顧客とフラットにつながっていく場所としては最適だと思います。

笑顔で話をする山本さんの写真

山本 志奈子(やまもと しなこ)
2014年にヤフー株式会社へ入社。広告営業を経験後、マーケティング本部にて自社プロモーションの企画運営やweb広告のプランニングなどに従事。2021年5月にnoteへ入社し、現在はブランドチームでコンテストの企画・セールスを担当。note


山本さん:おっしゃる通りですね。短いテキストや写真だけでは、背景にある想いやストーリーが伝わりにくい場合もあります。

先日、ある化粧水について書かれたnoteを読んでいたら、成分へのこだわりや、若手社員の方が試行錯誤しながら開発にチャレンジされた話など、CMや売り場では気づけないことがつづられていました。商品自体は認識していましたが、知らなかった裏話に引き込まれました。企業の想いにとても共感しましたし、思わず使ってみたくなったんです。

ブランドメッセージにこめた想いや商品開発の背景など、広告やSNSなどでは伝えきれない発信に向いている点は、他にはない特徴なのではないでしょうか。

児島さん:noteという個人も企業もおなじスタンスで存在するプラットフォームにあることで、企業の発信している情報というよりも、ひとつのコンテンツとしてフラットに受け取ってもらえていると思います。

角さん:そう、noteというプラットフォームによって、企業も読者もお互いが自然体なんですよね。一般的に企業がなにか情報を発信しようと思ったら、社内の稟議をとって内容を精査しなければなりません。メディアを運営しようとしても「KPIどうしよう?」といった議論が生まれ、スタートできないまま頓挫してしまうことも少なくないでしょう。

ところが、noteでは自然体な社員紹介やオープン社内報など気軽に発信している企業が多い。わたしは、そのありのままの姿での情報発信にこそ読者は惹かれると思っていますし、ひいては企業のイメージを広げてブランド価値向上につながると考えています。

ー とはいえ、企業にその価値を感じてもらうことはハードルが高い印象を受けますが……?

前を見据えて話をする、角さんの写真

角さん:確かにそうですね。でも、新しいものの価値は既存の基準ではすぐには定量化できないことが多いと思っています。

私は以前YouTubeが動画広告を売り出すころに在籍していたのですが、当時はクライアントや広告代理店の方に価値を理解してもらうことに苦労しました(笑)。

でも、その経験があったからこそ、noteでも新たなブランディング商品の立ち上げをやっていけると思っています。noteにはこれまでのプロモーションではなしえなかった価値があると感じているので。効果検証が求められる場合は、わたしたちがしっかり下支えしていくので、まずはnoteを始めてみてほしいと思います。

ファンが生まれるnoteの活用事例

ー 実際に、noteを活用した企業からはどういった声が届いているのでしょうか?

児島さん:採用広報用の社員インタビューなどは、よく読まれているそうです。

角さん:効果も出ていると思いますよ。入社前に企業が自然体で書いたnoteを読んでおけば「会社の雰囲気に合わなかった」ということはなさそうですし。

児島さん:特にコロナ禍以降は職場での雑談的なコミュニケーションは減り、「おなじ部署のメンバーだけど経歴や得意分野をよく知らない」なんてことも少なくありません。採用広報以外にも、社内のコミュニケーション活性化の一助を担っているようです。

山本さん:もうひとつはブランドメッセージを届けるような記事も人気です。特に新商品の開発工程やロングセラー商品の開発秘話などは「オウンドメディアよりも読者の反応がある」という声をいただいています。

角さんと話す児島さんの写真

児島さん:個人的に印象深いのは、カルビーさんの事例ですね。人気商品のひとつ「プロ野球チップス」に付くプロ野球選手のカード制作の裏側を、担当者が語ったnoteの反響は大きかったです。

採用にしても、ブランドメッセージにしても、結局は“ひと”なんですよね。ひとの心は、ひとの言葉によって動かされる。だからこそ、企業の人格を伝えていくことには意味があるのではないでしょうか。

「書くことがない」なんてことはない

山本さん、児島さん、角さんで話している写真

ー ありがとうございます。では最後に、これからnoteを始めることに二の足を踏んでしまっている企業がいたらなんと声をかけますか?

児島さん:そうですね……実はいまってすごくいいタイミングだと思っています。noteができたばかりの頃よりもノウハウが蓄積されてきていて、わたしたちからみなさんへ還元できることも多くなってきているので。

もちろん無理になにかを語る必要はありません。ただ、もし「発信したいけどネタがない」と思っているのであれば、それは大きな勘違い。そこには働いているみなさんがいるわけだし、商品やサービスには戦略やストーリーがあるからです。自分たちにしか語れないものを書いてほしいと思います。

角さん:その通りですね。おかげさまでnoteを活用する企業は増えてきましたが、個人的にはまだ一合目にも達していないレベルだと思っています。「いまさら始めるのも」とおっしゃる方もいますが、全然後発ではありません。

「なにか新しいことにチャレンジしたいけど、どうすればいいのかわからない」という企業は、ぜひnoteを始めてみてください。わたしたちは「すべての企業がnoteアカウントを持っている」という未来のために、試行錯誤を重ねていきます。

笑顔で話す山本さんの写真

山本さん:いまわたしたちが注力しているコンテストは、noteという街のなかで企業と個人が交流できる広場のような空間だと思っています。個人から意見をもらえる場所は、企業やブランドにとって大きな資産になるはず。noteを開設したら、ぜひコンテストの活用も検討していただきたいですね。


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Text and Photo by 田中嘉人

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